帰らぬ娘「この海に」待つ母

「この海のどこかに娘はいる」。東日本大震災から間もなく10年となる2月。宮城県女川町で、1人の女性が花束を堤防に手向け、沖合で行われる行方不明者の捜索を祈るように見詰めていた。帰りを待つ家族の思いは、何年たっても変わらない。